2013年05月15日

きっかけのワイン

こちらが、きっかけのワインです。




何のきっかけかと言えば・・・

このワインは、ブルゴーニュの有名人、ドミニク・ローランさんの、ボーヌ1級。何で有名人かというと、新樽200%で名を馳せた方なのです。

良い畑のワインは造った後、通常何年か手元で樽熟成をしてから出荷するのが普通なのですが、この方の場合、2年間熟成させる期間のうち、最初の一年目に新樽に入れたワインを、2年目にまた新しい樽に入れ替えて貯蔵していました。

新樽貯蔵はよくあるのですが、2年目にまた入れ替えるというのは画期的(良し悪しは別にして)なことで、また、出来上がったワインが当時のマーケットにとても受けがよく、新樽200%のドミニク・ローランとしてとても有名になったわけです。

その、ドミニク・ローラン氏ですが、今ではその造り方をしなくなりました。新樽を使いまくったりの、人為的なテクニックは極力控えて、丁寧にブドウを栽培し、出来るだけナチュラルな方法で醸造をしているそうです。確かに、ワインの味わいにもそれがよく表れています。

で、何がきっかけと言いますと、ドミニク・ローランさんが、もうテクニックに頼るのはやめよう、と、思ったきっかけが、このワイン、正確には、このワインのもとになる葡萄に出会ったこと。

その葡萄の出来の素晴らしさに、何か天からの声でも聞こえたのでしょうか、ナチュラルなワイン造りに大きく舵を切るきっかけとなったのがこれだということですね。

通常、ドミニク・ローランのワインは白いラベルなのですが、ご本人の思い入れが強いいくつかの畑のみ、この黒いラベルで出荷されます。(ドメーヌ物はまた別ラベル)

そして確かにこのボーヌ1級は、07,08と確認しましたが、本当にすばらしい、凝縮していながらナチュラル、とてもバランスのとれた旨味の深いワインです。これで4780円(長島価格)なのですが、内容を考えると非常に良心的な価格設定だと思います。

ある方向ですでに名声を得ていたプロが、その手法をガラッと変えさせて更なる上のステージに引っ張るきっかけを作った畑のワインて、何か、凄味があります。。。
  


Posted by ながしま at 17:56Comments(0)ワインの紹介